画像最適化チェックリスト
投稿日: 2024年6月29日
Web上に画像を公開する際、見落としがちな最適化ポイントは数多く存在します。本記事では、プロフェッショナルが実践している画像最適化の完全チェックリストを提供します。このチェックリストを活用することで、高品質でパフォーマンスの高い画像配信を実現できます。
画像準備段階のチェックリスト
1. 画像選定と準備
- ☐ 目的の明確化:画像の使用目的と表示場所を確認
- ☐ 元画像の品質:十分な解像度があるか(表示サイズの2倍推奨)
- ☐ 著作権の確認:使用権限があることを確認
- ☐ バックアップ:元画像を別途保存
- ☐ 編集履歴:編集可能な形式(PSD、AI等)を保持
2. 画像編集の確認事項
- ☐ トリミング:不要な部分をカット
- ☐ 色調補正:適切な明るさとコントラスト
- ☐ カラープロファイル:sRGBに統一(Web用)
- ☐ レタッチ:必要な修正を完了
- ☐ 透かし・ロゴ:必要に応じて追加
技術的最適化チェックリスト
3. フォーマット選択
画像タイプ | 推奨フォーマット | チェック項目 |
---|---|---|
写真 | JPEG/WebP | ☐ 非可逆圧縮で問題ないか確認 |
ロゴ・アイコン | SVG/PNG | ☐ ベクター形式が利用可能か確認 |
透明背景画像 | PNG/WebP | ☐ アルファチャンネルが必要か確認 |
アニメーション | GIF/WebP/MP4 | ☐ 動画形式の方が効率的でないか検討 |
4. サイズ最適化
- ☐ 表示サイズ:実際の表示サイズに合わせてリサイズ
- ☐ レスポンシブ対応:複数サイズを準備
推奨サイズセット: - モバイル: 768px - タブレット: 1024px - デスクトップ: 1920px - 高解像度: 2560px
- ☐ Retina対応:2x、3xバージョンの準備
- ☐ アスペクト比:一貫性のある比率を維持
5. 圧縮設定
- ☐ 品質設定:
- ☐ ヒーロー画像: 85-90%
- ☐ 一般コンテンツ: 75-85%
- ☐ サムネイル: 70-80%
- ☐ 背景画像: 60-75%
- ☐ プログレッシブ/インターレース:有効化を検討
- ☐ 最適化ツール:適切なツールを使用
- ☐ ファイルサイズ確認:目標サイズ以下か
目標ファイルサイズ: - ヒーロー画像: < 300KB - 商品画像: < 150KB - サムネイル: < 50KB - アイコン: < 10KB
メタデータとSEOチェックリスト
6. メタデータ管理
- ☐ 不要なメタデータ削除:
- ☐ GPS位置情報
- ☐ カメラ情報
- ☐ 撮影日時(必要に応じて)
- ☐ ソフトウェア情報
- ☐ 必要なメタデータ保持:
- ☐ 著作権情報
- ☐ 作者情報
- ☐ カラープロファイル
7. SEO最適化
- ☐ ファイル名:説明的で検索エンジンフレンドリー
良い例: red-running-shoes-nike-air-max.jpg 悪い例: IMG_12345.jpg
- ☐ alt属性:適切な代替テキストを準備
- ☐ title属性:必要に応じて追加
- ☐ 構造化データ:ImageObjectスキーマの実装を検討
- ☐ サイトマップ:画像サイトマップへの追加
実装チェックリスト
8. HTML実装
<!-- チェック項目を満たした実装例 -->
<picture>
<!-- ☐ 次世代フォーマット -->
<source srcset="image.avif" type="image/avif">
<source srcset="image.webp" type="image/webp">
<!-- ☐ レスポンシブ対応 -->
<source media="(max-width: 768px)"
srcset="image-mobile.jpg 1x, [email protected] 2x">
<!-- ☐ 基本画像 -->
<img src="image.jpg"
srcset="image.jpg 1x, [email protected] 2x"
alt="赤いナイキエアマックスのランニングシューズ"
width="800"
height="600"
loading="lazy">
</picture>
- ☐ srcset属性:複数解像度に対応
- ☐ sizes属性:レスポンシブ表示に対応
- ☐ width/height属性:CLSを防ぐため明記
- ☐ loading属性:適切な遅延読み込み設定
- ☐ フォールバック:古いブラウザ対応
9. CSS最適化
- ☐ 背景画像の最適化:
.hero { /* ☐ 複数フォーマット対応 */ background-image: image-set( url('bg.avif') type('image/avif'), url('bg.webp') type('image/webp'), url('bg.jpg') type('image/jpeg') ); /* ☐ 適切なサイズ指定 */ background-size: cover; background-position: center; }
- ☐ メディアクエリ:デバイスに応じた画像切り替え
- ☐ aspect-ratio:アスペクト比の保持
- ☐ object-fit:適切な表示方法
パフォーマンスチェックリスト
10. 読み込み最適化
- ☐ 遅延読み込み:
- ☐ ファーストビュー外の画像にlazy loading適用
- ☐ Intersection Observerの活用検討
- ☐ プリロード:
- ☐ 重要な画像にpreload設定
- ☐ LCP画像の優先読み込み
- ☐ CDN利用:
- ☐ 画像CDNの設定
- ☐ 適切なキャッシュ設定
11. 測定と検証
- ☐ Core Web Vitals:
- ☐ LCP: 2.5秒以内
- ☐ CLS: 0.1以下
- ☐ FID: 100ms以内
- ☐ PageSpeed Insights:スコア90以上を目指す
- ☐ 実機テスト:
- ☐ モバイル3G環境
- ☐ 低スペックデバイス
- ☐ 各種ブラウザ
配信とメンテナンスチェックリスト
12. 配信設定
- ☐ HTTPヘッダー:
# 適切なキャッシュ設定 Cache-Control: public, max-age=31536000, immutable # 圧縮設定 Content-Encoding: gzip # セキュリティヘッダー X-Content-Type-Options: nosniff
- ☐ CORS設定:必要に応じて設定
- ☐ 圧縮転送:Gzip/Brotli有効化
13. 定期メンテナンス
- ☐ 定期監査:
- ☐ 月次: 新規画像の最適化確認
- ☐ 四半期: 全体的なパフォーマンス測定
- ☐ 年次: フォーマット・技術の見直し
- ☐ 自動化:
- ☐ CI/CDパイプラインへの組み込み
- ☐ 自動圧縮スクリプトの設定
- ☐ 監視アラートの設定
チェックリストテンプレート
以下は印刷して使えるシンプルなチェックリストです:
画像最適化クイックチェックリスト 画像情報: ファイル名: __________________ 用途: ________________________ 基本チェック: ☐ 適切なフォーマット選択 ☐ 必要最小限のサイズ ☐ 圧縮完了(目標: _____KB以下) ☐ メタデータ処理済み SEO対策: ☐ 説明的なファイル名 ☐ alt属性記入 ☐ 構造化データ(必要時) 実装確認: ☐ レスポンシブ対応 ☐ 遅延読み込み設定 ☐ フォールバック画像 ☐ 表示テスト完了 最終確認: ☐ PageSpeed Insightsスコア: _____ ☐ 実機テスト完了 ☐ バックアップ保存 確認者: _____________ 日付: _____________
まとめ
画像最適化は多岐にわたる要素を考慮する必要がありますが、このチェックリストを活用することで、重要なポイントを漏れなく確認できます。最初は時間がかかるかもしれませんが、慣れれば自然にこれらの項目をチェックできるようになります。Zcompressのようなツールを活用しながら、効率的な画像最適化ワークフローを構築してください。定期的にチェックリストを見直し、最新の技術やベストプラクティスに合わせて更新することも重要です。
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