JPEGとPNGの違いと使い分け
投稿日: 2024年6月29日
Web制作において、画像形式の選択は非常に重要です。JPEGとPNGは最も一般的な画像形式ですが、それぞれに特徴があり、適切に使い分けることで、ウェブサイトのパフォーマンスとビジュアル品質を最適化できます。本記事では、JPEGとPNGの違いを詳しく解説し、どのような場面でどちらを選択すべきかを具体例を交えて説明します。
JPEGとは?
JPEG(Joint Photographic Experts Group)は、1992年に開発された画像圧縮形式です。非可逆圧縮を採用しており、ファイルサイズを大幅に削減できることが最大の特徴です。写真や複雑なグラデーションを含む画像に最適で、世界中で最も広く使用されている画像形式の一つです。
JPEGの主な特徴
- 非可逆圧縮により、ファイルサイズを大幅に削減可能
- 1677万色(24ビット)の表現が可能
- 写真や自然画像に最適
- 透明度(アルファチャンネル)には対応していない
- 圧縮率を調整可能(品質とファイルサイズのバランス)
PNGとは?
PNG(Portable Network Graphics)は、1996年に開発された画像形式で、可逆圧縮を採用しています。GIF形式の後継として開発され、透明度をサポートし、高品質な画像を保持できることが特徴です。ロゴ、アイコン、テキストを含む画像など、エッジがシャープな画像に適しています。
PNGの主な特徴
- 可逆圧縮により、画質の劣化なし
- 透明度(アルファチャンネル)をサポート
- PNG-8(256色)とPNG-24(1677万色)の2種類
- テキストやロゴなど、シャープなエッジを持つ画像に最適
- インターレース表示に対応
圧縮方式の違い
JPEGとPNGの最も大きな違いは、圧縮方式にあります。JPEGは非可逆圧縮を採用しており、画像データの一部を削除することでファイルサイズを削減します。一方、PNGは可逆圧縮を採用しており、元の画像データを完全に保持したまま圧縮を行います。
非可逆圧縮(JPEG)のメリット・デメリット
メリット:
- ファイルサイズを大幅に削減できる
- 写真のような複雑な画像でも効率的に圧縮
- 圧縮率を調整できる
デメリット:
- 圧縮により画質が劣化する
- 保存を繰り返すと画質が徐々に低下
- テキストやシャープなエッジが滲みやすい
可逆圧縮(PNG)のメリット・デメリット
メリット:
- 画質の劣化がない
- 透明度をサポート
- 何度保存しても画質が変わらない
デメリット:
- ファイルサイズが大きくなりやすい
- 写真のような画像には不向き
適切な使い分けのガイドライン
JPEGを選ぶべき場面
- 写真画像:人物、風景、商品写真など
- 複雑なグラデーション:自然な色の変化を含む画像
- 大きな画像:ヒーローイメージやバックグラウンド画像
- ファイルサイズ重視:ページ読み込み速度を優先する場合
PNGを選ぶべき場面
- ロゴ・アイコン:企業ロゴ、アプリアイコンなど
- 透明背景が必要:背景を透過させたい画像
- テキストを含む画像:インフォグラフィック、図表など
- 単色・少色の画像:フラットデザインのイラスト
- 画質重視:細部まで鮮明に表示したい場合
実践的な最適化テクニック
適切な画像形式を選択した後も、さらなる最適化が可能です。JPEGの場合は、品質設定を70-85%程度に調整することで、視覚的な品質を保ちながらファイルサイズを削減できます。PNGの場合は、PNG-8形式で十分な場合は、PNG-24よりも大幅にファイルサイズを削減できます。
また、Zcompressのような画像圧縮ツールを使用することで、両形式ともに効率的に最適化できます。当サービスでは、画質を保ちながら最大80%のファイルサイズ削減を実現しています。
まとめ
JPEGとPNGの選択は、画像の内容と用途によって決定すべきです。写真や複雑な画像にはJPEG、ロゴやアイコン、透明度が必要な画像にはPNGを選択することが基本原則です。また、両形式ともに適切な圧縮を行うことで、ウェブサイトのパフォーマンスを大幅に向上させることができます。画像最適化は、SEO対策としても重要な要素ですので、ぜひ適切な形式選択と圧縮を心がけてください。
関連記事:WebP形式完全ガイド | 可逆圧縮と非可逆圧縮の選び方